事例

過去実績を提案に生かす分析の仕組み

広告代理店との取り組みです。同社は過去実績の示唆を次の提案へ反映し、結果をどのように見込んだか、その背景まで提案先のクライアントへ説明できるようになりました。KDOTは案ごとの見込みと判断材料を比較できる仕組みを業務アプリとして実装しました。さらに業務アプリの中核となる処理ロジックと機械学習モデルについて、特許手続きを担う弁理士が技術の新しさや工夫を検討するための資料を作成しました。その後この発明には特許が付与されました。

サービス
データ分析支援
技術領域
サーバー開発 / データ基盤 / 機械学習・AI / 画面開発 / 認証・権限 / クラウド基盤 / 運用自動化・監視 / 開発ツール

01

新しい案を比べるための判断材料が数値化されていなかった

専門職の経験知を置き換えず、過去実績から得た示唆を判断材料に加える

同社ではデザイナーやコピーライターが新しい案を考える際、これまでの経験や勘も重要な判断材料になっていました。こうした専門職の経験知は企画や表現を生み出す力であり、単純に置き換えるべきものではありません。

一方で過去の案件実績を新しい案の結果を事前に予測・評価できる共通の判断材料としては使えていませんでした。そのため案を考える場面と提案先のクライアントへ案の背景を伝える場面の双方で経験知に過去実績の示唆を加える方法が必要でした。不足していたのは過去実績から示唆を抽出し、案の比較や評価に生かす仕組みでした。

02

案ごとの結果の見込みと背景を比較できるようにした

候補案を入力し、見込みの幅と各条件の影響を確認し、複数案を比べて条件を見直し、レポートにまとめる

KDOTはまず過去の案件情報を整理し、過去実績から結果の見込みを算出する機械学習モデル(LightGBM)を設計しました。候補案の条件を入力すると結果の見込みを単一の予測値ではなく幅で示します。将来の結果を一つの値に絞らず、どの結果の範囲に入りやすいかを確率で捉えるためです。

見込みとともに入力した各条件がモデル上の結果を押し上げる方向に働いたか、押し下げる方向に働いたかも、SHAPによる寄与の可視化で確認できます。これは各条件が結果を生んだという因果関係の証明ではありません。過去実績をもとにしたモデルが案をどう評価したかを読み解き、案の選択や条件の見直しに使うための情報です。たとえば基調色、ビジュアルの種類、メインコピーの文字数、訴求内容が異なる二つの案を入力します。各案について結果が入りやすい範囲と、どの条件が予測を押し上げ・押し下げる方向に働いたかを並べて確認します。担当者はコピーを短くする、基調色を変えるといった見直し候補を検討し、その理由を提案先のクライアントへ説明できます。

業務アプリで想定した利用の流れでは、担当者が候補案を入力し、見込みの幅と各条件の影響を確認します。次に複数案を同じ形式で並べて比較し、必要に応じて条件を見直します。検討した結果はPDFのレポートにまとめ、提案先のクライアントへ案と背景を説明する材料にできます。

KDOTはこの一連の流れを、入力、モデルによる算出、レポート作成、結果の保存、過去の実行履歴の閲覧まで行える業務アプリにまとめました。分析だけで終わらせず、提案を担う担当者が必要なときに候補案を比較できる形まで実装しました。

03

提案の背景を提案先のクライアントへ説明できるようになった

提案先のクライアントが、結論だけでなく案を有望と考えた背景まで受け取れるようになった

企画や表現を担う担当者は自らの経験や勘を起点に案を考えながら、過去実績から得られた示唆を案の選択や見直しに加えられるようになりました。見込みとあわせて、モデルがどの条件をどう評価したかも確認できるため、その見込みに至ったモデル上の背景を条件ごとに捉えられます。

これにより同社は過去実績の示唆を反映した案とその案を有望と考えた背景をあわせて提示できるようになりました。提案先のクライアントにとっても結論とあわせて、なぜその案を提案したのかを理解しやすくなりました。本案件で確認できた成果は、企画や表現を担う担当者に案を検討する材料が増え、提案先のクライアントに提案意図を理解する材料が増えたことです。

04

業務アプリの中核ロジックとモデルで知財化も進められた

業務課題とデータの整理、モデルの設計、業務アプリの実装、知財候補の整理と資料作成までを一貫して支援した

同社は営業上の訴求と競合参入の抑止を目的として、業務アプリの中核となる処理ロジックと機械学習モデルの特許化を検討していました。KDOTは特許手続きを担う弁理士が、何が新しく、どのような技術的工夫があるのかを検討できるよう、中核ロジックと機械学習モデルの構成や既存手法との差分を整理した資料を作成しました。実装した技術を発明として説明できる形にし、顧客の知財化を技術面から支えました。その後この発明には特許が付与されました。

本案件でKDOTは業務課題とデータの整理、モデルの設計、業務アプリの実装、中核となる処理ロジックと機械学習モデルに関する知財候補の整理と資料作成までを一貫して支援しました。

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